吉岡隆知

根管治療を取り巻く環境は、マイクロスコープやCTの登場などによって大きく様変わりしました。言葉は悪いかもしれませんが、昔は当てずっぽうの治療も珍しくありませんでした。しかしマイクロスコープやCTが導入されたことで、当てずっぽうではない、より精密な治療が行える環境が整ったのは事実だと思います。ただし意外に思われるかもしれませんが、昔と今を比べて、治療成績に関しては劇的な変化があるわけではありません。なぜなら、機器の有無に関係なく、治療の本質的な部分は変わらないからです。 適切な治療を行っていくうえで前提となるのは、正しい診断です。ですから当院では、診断の正確さを非常に重要視しています。マイクロスコープやCTが効果を発揮するのは、あくまでも正しい診断ができてからのこととなります。